ギャラリストのよしなごと

生粋グルメと頭脳グルメ

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「もう人生、レコードで言えばB面なんだからさ、体裁とか考えずに好きにすればいいのさ。」

 

 

仕事の仲間と一緒に昼食を食べているときに、一人が言った。

するともう一人の彼がとある新聞記事を私たちに紹介した。

 

”この頃の人たちは暴飲暴食をしなくなった。

誰もが健康志向で、お酒を飲んで荒れることも、楽しくどんちゃん騒ぎをすることも少ない。

血の滴るような肉やがっつり油を吸った揚げ物よりは、サラダにノンオイルドレッシングをかけて食べるのを選ぶ。

夜更かしして片手にアイスクリーム、もう一方にポップコーンを抱えてNetflixを見るようなバカな真似もしない。”

 

その記事によれば、若い人ほどその流れが強く、さらに男性の方がこの健康志向が高い傾向にあるらしい。

 

自分の健康を気をつけることは褒められるべきことなのだが、”そんな退屈な人生、長く生きて何になるかよ!”と新聞記事を披露した彼は不満げだった。

 

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彼曰く、グルメには二通りあるらしい。

 

まず一番目は舌が肥えて美味しい物のなんたるかを知り、それを飽くことなく追求するタイプ。

美味しいものに詳しくて、心から食事を楽しむ人たちはこのグループに入る。

フランス人やイタリア人に肥満が少ない傾向にあるのは、食事に時間をかけ、味わい堪能するからだ、と言われている。

満足する、満ち足りることがストレスを減らし、自然に活動的になることが太り難い要素になっているのかもしれない。

 

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次は頭で考えるタイプのグルメ。

 

”野菜は最低でも5種類は毎日取らなくてはならない、

炭水化物の摂りすぎはダメだから、ご飯は少なめ、

身体の為にも休肝日は大事、今日はワインはパス。。。”

 

こういうタイプの人たちに健康志向の人が多いという。

そういう私もキッチンに立って野菜を刻みつつ、頭の中で今日食べた野菜の種類を反芻しているのだから、まさにこのタイプ。

 

そして頭脳グルメは食後、猛烈に反省をする。

”野菜の量が少なかった、

肉を摂りすぎている、

食後にアイスクリームなんて食べるんじゃなかった。。。”

 

食事にいつも不服や後悔を抱えている人たちは、欲求不満がストレスになり、必要以上に間食を摂って肥満に繋がってしまうのだそうだ。

 

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「ジョギングして、ジンジャーショットをグイって飲んで健康になったつもりになるより、カフェに座って行き交うセクシーな女の子を見ながら、ミルクたっぷりのカプチーノにクロワッサンをゆっくりとほお張っている方がよっぽど精神衛生上に良いってことだよ。」

 

彼らは昼食を美味しそうにペロリと平らげておきながら、”このレストランは塩辛くていけない”だの、”量の割に値段が高い”だの文句タラタラ。。。

展示替えの時すら”腰が痛い”、”腕が上がらない”と力仕事を若い子に任せているせいでもあるが、彼らおじさんギャラリストたちはみんなでっぷりと太っている。

 

実は私もフォアグラのポアレを至福な笑みを浮かべ、とろける味わいを堪能したいところだが、こんなこってりとした料理を食べてしまった次の日は決まって胸がやけ、”胃薬、胃薬!”と薬箱にすがりつく。

 

私も彼ら同様、生粋グルメには生涯かかってもなれそうにない。。。

 

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