ギャラリストのよしなごと

プレゼント

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年齢を重ねるにつれて一年が飛ぶように過ぎると感じるのは、新しい経験をすることが乏しくなり、漫然とその日を暮らしてしまうからだ、と言われる。

もう11月か、と思うと確かにこの一年も瞬く間にすぎた気がする。

でもここでちょっとキーボードを叩く手を止めてよくよく考えてみたのだが、意外にも私は今年、新鮮な経験をたくさんした、そんな気がしているのである。

ロックダウンが明けて、ちょっと恐る恐るレストランで食事をしたこと、映画館の赤いビロードの席に着いただけでワクワクしたあの気持ち、いつもならアートフェアに臨むのは不安で胸が張り裂けそうになってしまうのに、今年はなんだか待ち遠しくて仕方なかったこと、なんだか全てのことが初めての経験のようで、嬉しかった。

そう、今年私はちょっとだけ子供の心を取り戻したのかもしれない。

この一年は長かった、なんてことは到底言えないけれど、意識を持って1日を過ごすことを覚えたような気がする。

今回のパンデミックは予想以上に大きな爆弾で、今なおそれに怯える私たちだが。でもたった一つの教訓という名のプレゼントを私たちにもたらしたと思う。

“私たちの毎日には当たり前の日々などない”

 

11月の終わりには当ギャラリーは毎年恒例の“クリスマスにアートを贈ろう!”企画を行なっている。それに先駆け、これからクリスマス前までここで毎日一つずつ小さくてお財布にも優しく、でも個性的で素晴らしい作品の数々を紹介していこうと思う。

人にプレゼントするのは非常に難しい。

大抵の場合、自分の趣味とはかけ離れたものをもらうハメになり、そして足を棒にして探し当てたプレゼントは大方の場合喜んでもらえない。これがプレゼントの運命と言ってもいい。

アート作品をプレゼントにするのだってそれは同じ。だからこれから2ヶ月間、私たちはギャラリストというより、プレゼントコンサルタントに徹しようと思う。大事な人への贈り物、あるいは自分のご褒美のためのプレゼント、何なりと相談していただきたい。私たちはあなたのプレゼントが成功するために全力でバックアップさせていただくつもりである。

第一弾はもちろん瀬川郷さんの作品である。

なんと折り畳み可能で封筒にきっちりと収まるアートである。作品は小さいけれど、そのインパクトは果てしなく大きい。

これは是非ともどんな時にも冷静沈着な人に贈りたい、そしてその人が感動と驚きでいつもの冷静さを失う姿が今から目に浮かぶようではありませんか?

 

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