ギャラリストのよしなごと

どうぞよろしく!

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好きな人と一緒に暮らす、それは初めのうちは互いの何もかもが珍しくて、ふわふわと浮かれた薔薇色の空気に中に包まれているが、誰だっていつかはその目新しさも薄れてしまい、二人にかけられていたロマンチックな魔法が徐々に消えていくものである。実はその魔法が完全に解けた時こそ、“一緒に暮らす”スタートなのではないだろうか、と私は思う。

 

私とパートナーの関係は実はもう長い。

彼が心の中で、“まぁよくここまでケイコと一緒にやってきたよ!”と感慨深く思っていることを私は知っている。

 

からりと晴れ渡った明るい空のようなパートナーと、ヒヤリと冷たく静かな秋の空気のような私。まさに私たちは陽と陰の性質を持っているのである。

そして彼は思いついたことをすぐに実行に移す行動派であり、私は石橋を叩いてからでなければ渡れない慎重派である。

でも彼はいかにも大胆そうに見えて繊細な心の持ち主でもあり、私はといえばいかにも細やかな心遣いができそうに見えて案外に大胆不敵だったりするのである。

まさに、性質、性格、そして互いの好みまで、何から何まで大きな振れ幅のある私たちは互いに摩擦による多数の擦り傷をいつもどこかに負っていたような気がする。

それがいつからなのだろうか、私は眩しすぎる彼の明るさが温かく心地よくなっていた。

ブレーキをかけずにはいられなかった彼の行動力は実は未来を先取りする力なのだと理解できるようになっていた。

そしていかにも強靭そうな彼は気持ちの面ではとても優しい人なのだと気付かされた。

多分彼も気難しい私の中に少しばかり光を見つけて認めてくれたのではないかと私は思いたい。

そう、私たちは今やっとのことで、一緒に住むためのスタート地点にたどり着いたような気がしているのである。

 

今日紹介するのは、あなた自身とあなたのパートナーに贈るプレゼントである。

これは寺山紀彦さんのお湯呑みセットだ。

“二つの柄の違うカップが全く同じように割れ、その割れたパーツを互いに取り替えて金継ぎし、元通りに修復した”というイメージを想定してデザインされたカップのセットである。

二人の性格が違うのは当たり前だけれど、長く一緒に暮らしているうちに互いの違いを認め合うだけでなく、互いの性格を知らずうちに取り込み、互いを慈しみ合うことを願った作品だ。

これからもどうぞよろしく!という言葉の代わりにこのカップをあなたのパートナーに贈ってみてはいかがだろうか。

 

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